野球肘を知ろう 投球数の問題
2022年02月8日
目 次
投げすぎ注意!
野球肘に関して【投球数】は深く関係してきます。
投球数は今後野球をやっていく上でしっかり対策を立てないと野球肘のリスクが高くなります。
所沢市寿町にある しみず鍼灸整骨院 所沢院にも野球肘で来られる方はいます。
施術をする際に普段どれだけ投げているかを確認すると練習、試合とたくさん投げていることがわかります。
練習をすることはもちろん大事ですがその内容をしっかり考えていく必要があります。
理想の投球数は?年齢ごと細かく分かれます!
では実際に投球数を年齢別に分けるとどうなるのか見てみましょう。
完全にこの通りにできる人はいませんが、自分がどれだけ近いかチェックしてみよう!
アメリカのパターン
年齢 | 一日に投げていい投球数 | 連投 | 中1日 | 中2日 | 中3日 | 中4日 |
7~8歳 | 50球 | 1~20球 | 21~35球 | 36~50球 | ||
9~10歳 | 75球 | 1~20球 | 21~35球 | 36~50球 | 51~65球 | |
11~12歳 | 85球 | 1~20球 | 21~35球 | 36~50球 | 51~65球 | |
13~14歳 | 95球 | 1~20球 | 21~35球 | 36~50球 | 51~65球 | 66球以上 |
15~16歳 | 95球 | 1~20球 | 21~45球 | 46~60球 | 61~75球 | 76球以上 |
17~18歳 | 105球 | 1~20球 | 21~45球 | 46~60球 | 61~75球 | 76球以上 |
この表で行くと連日連投する場合はどの年齢でも1~20球までとなります!1日の限界まで投げたら中4日は投球をしてはいけないことになります。
果たして日本ではこのようにしっかり管理されているのか??
実はこの表に書かれているのはアメリカの基準となります。
アメリカでは【肩は消耗品】という考えがあり、長期間痛めることなく野球を続けていくには、消耗品である肩をしっかりケアしながら大事に使っていこう!という事です。
アメリカでは昔からこのように投球に対して徹底的に管理することで怪我の発生率を減らしていたのでしょうね。
日本のパターン
一方日本では【投げるほど肩が強くなる】と言われており、とにかく練習あるのみ!って感じでした。その為、身体のできていない子供、学生の時に使いすぎて野球肘に悩まされてしまう事が多いです。
最近では(2020年あたり)高校生の投球制限とかがテレビでも話題になったりしましたが、日本も各年齢層である程度規定が作られてきました。
では日本で決められた制限を見ていきましょう。
※ちなみに日本では小、中、高と制度を決めている機関が違います。
小学生
小学生では全日本軟式野球連盟が制定しています。
- 一日の投球数は70球です。(小学校4年生以下は60球)
- 一週間の合計は500球となります。
- 練習は一週間のうち6日以内、一日3時間までにする。
小学生の体は発育途中で、耐久値としては正直たくさんの練習に耐えられません。
その為、各年代の中で一番管理を徹底する必要があります。
この時に投球フォームの基礎の指導や練習量、内容を管理しましょう!
小学生で投げていい球種は【ストレート】と【チェンジアップ】のみです!
中学生
中学生では日本中学硬式野球協議会が制定しています。
- 大会中の一日の投球数は100球以内とする。
- 一週間の合計投球数は350球となります。
中学生でもこのようにちゃんと制限がありますね。
中学生になると変化球を覚え始めて使っていきます。変化球を投げるのがいけないことはないが、その前に小学生から投げている【ストレート】と【チェンジアップ】はしっかりマスターしとくのが必須です!
高校生
高校生は日本高等学校野球連盟が制定しました。
- 1試合に100球以下の投球にする。
- 大会期間中は1週間に500球以内にする。また、3連戦をしないようにする
- 完全に投げない【ノースロー日】を作るようにする。(制定する動きがある)
高校生になっても もちろんですが投球制限があります。
特に世間でも注目される【甲子園】は毎年色々なドラマが生まれますがこの大会も投球数だけ見るとひとりの選手が連日連投しています。
実際、これが影響しているのか?大会中に負傷する選手やプロに入って怪我に悩まされる選手が多いです。
上手くなるより怪我をしない方が大事です!
私個人の意見としては【速い球が投げれる】【多彩な変化球が投げれる】【練習を休まずする】よりも【怪我をせずに野球を続けられる】という方が大事だと思います。
今まで結果を出すため、練習を頑張りすぎて大会に出れなかった選手を見てきました。
特に最後の試合に出れないのは非常に悔やまれます。
練習をすることは間違いではないですが、投球数を管理するだけでも肩や肘にかかる負担を減らすことができるので今後はその部分も考えていただけるといいと思います。