肩に石ができる?石灰沈着性腱板炎とは?

2024年01月30日

こんな名前のお悩みがあるのですが、名前だけでピンとくる人はなかなかいないと思います。

このお悩みの特徴を言えと言われたら、【肩のお悩みの中で一番痛い!】ですかね。なった人は分かると思いますが、かなりの痛みを訴え健側の腕で患側の腕を支えて来院する患者さんもいます。

石灰って何??

ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウムの一種)という人間の歯や骨の成分の一つで簡単に言えばカルシウムです。この石灰自体は悪いものではないのですが本来ない所にできてしまい、それが刺激を与え炎症を起こすわけです。

注射で抜いた場合はこのようなペースト状の石灰が見られます。

原因は?

この痛みは、特別何か前兆が出てくるのではなく、いきなり激痛を発生させます。基本的に他の肩関節疾患は何かしら原因があって徐々に症状が出てきますが、このお悩みは急激に痛くなります。

石灰が肩関節の腱板内に溜まり、些細なことで溜まった石灰が肩峰下滑液包内に漏れ出して炎症を起こします。

溜まっているだけの石灰は無痛なこともありますので、たまたまエコーやレントゲンを撮った時に見つかるなんてこともあります。実際に肩の痛みで当院に来店された方の中でも、対比のために撮った痛くない方の肩に石灰を確認できました。

溜まる原因も今の所確立したものがありません。

症状

どんな痛みが出てくる?

主に【夜寝れない痛み】【手が全く動かせない】【じっとしてても痛い】【腕をぶら下げているのもつらい】等の痛みがあります。

年代的には40~50代に多い。

男女比は女性の方が多い。

痛みの出方には3タイプあります。

 痛みの期間(個人差あり)
急性型1~4週間
亜急性型1~6ヶ月
慢性型6ヶ月以上

今回の痛みとして当てはまるのは急性型で、亜急性型と慢性型は【五十肩】のお悩みに少し似ている部分があります。

【五十肩】と似ている部分・・・【些細な損傷から始まる】【段々と症状が強くなってくる】【肩関節の拘縮】等があります。

しみず鍼灸整骨院 所沢院の施術法

カウンセリング

状態を見る・・・急性期は安静が一番です。炎症がとても強い時なのでむやみに動かすとより炎症が強くなるので使わないようにしましょう。場合によっては三角巾などで肩を吊って動かさないように処置する場合もあります。

足の施術

アイシング・・・炎症反応を抑えられるので肩を氷嚢や保冷剤で冷やすと痛みが弱まります。目安は2~3時間に1回10~15分ぐらい冷やして下さい。長時間冷やしていると凍傷の恐れもあるので注意してください。

EMS

電気療法・・・痛みを緩和する作用がありますのでただ家で安静にしているより施術を行った方がより早く痛みを抑えられます。

リハビリ・・・ある程度痛みのピークが下がったら、動かしてなかった為に肩が拘縮しているので今度は痛めた部分を温めながら運動療法を行います。

その他の方法

注射で抜く・・・痛み止めの注射やすべての石灰が抜けるわけではないが石灰部分に刺し、中の液状の石灰を抜いてしまう方法です。エコーでは抜ける石灰かを判断する事が可能です。

手術療法・・・石灰は残ってても自然に吸収されてなくなりますが、残ることもあります。それが色々な動きによって刺激をしてまた痛みを出す場合、稀に手術にて石灰を取り除くこともあります。

最後に

今回は石灰沈着性腱板炎について書いていきましたが、参考になったでしょうか? 肩に石が溜まるなんて知らない方も多いと思いますが、急な激痛の場合は石灰沈着性腱板炎の可能性が高いです。

当店ではエコーにて観察することにより石灰があるかを判断する事ができます。注射で石灰が取れるものや痛み止めを打つ施術もあるので患者さんと相談して病院を紹介する事も行っています。注射をしなくても一週間の安静、アイシングで激痛は結構無くなります。後の残った痛み、可動域制限は経過観察にてリハビリを行うことにより確実に良くなります。痛みが無くなった後にも石灰があって痛みが無いのか、石灰も無くなって痛みが無いのかで最後のアドバイスに違いがあります。

他の記事にもありますが肩の痛みには様々な種類があり、治療方法が異なります。一番大事なことは痛みの原因が何なのかをしっかり突き止める事が大事だと私は思います。

肩の痛みでお困りの方は気軽にご相談ください。