外脛骨
2021年12月3日
目 次
外脛骨とは?
足根骨は全部で7個あります。舟状骨はちょうど内側縦アーチ(土踏まず)のトップにあります。
外脛骨は足に出来る過剰骨※の一つで、舟状骨の内側に出来ます。
外脛骨は15~20%の人が持っていて、その内80~90%の人が両足に持っています。男性よりは女性に多いです。
子供の両親にも外脛骨の有無を聞くと一定数の人にあることがわかり遺伝的なものもあるのかもしれません。
※過剰骨・・・本来ないはずの骨の事で、元々退化してなくなる骨ですが、退化せず残ってしまうと過剰骨になります。
型が3つあります。
- Ⅰ型【外脛骨が単独で存在している】
- Ⅱ型【結合組織で舟状骨と繋がっている】 一番多い!!
- Ⅲ型【舟状骨にくっついている】
痛みのある外脛骨が今回の有痛性外脛骨となります。
有痛性外脛骨は10代の子に多いです。
外脛骨の原因は?
- 偏平足がある
- ふくらはぎの筋肉が硬い
- 足の着き方に問題がある
- 生まれつき外脛骨がある
舟状骨には後脛骨筋と言う筋肉がついています。外脛骨があると、それが筋肉の付着部になったり骨が腱の中に入ったりしています。縦アーチの不足(扁平足)だとこの後脛骨筋が伸ばされてしまいます。実際に外脛骨の人は扁平足の人が多いです。
その状態で運動をして急な力で引っ張られたりすることで、この外脛骨の部分が刺激されて痛みを発生させます。
足首を捻ると通常であれば前距腓靭帯を損傷することが多いですが、足首の内側に痛みを訴えエコーにて観察すると外脛骨が発見されることが多い。このように内返しに捻った外力が外脛骨に加わることにより痛みを誘発する事があります。
外見上、外脛骨は程度にもよるが内側に出っ張っていることが多く、靴での擦れやサッカーのインサイドキックなど直接外力が加わることにより痛みが出てしまうこともあります。
外脛骨がある=痛みの原因にはならず、無症状の人もいます。外脛骨の存在を知らずに、たまたま別の疾患でレントゲンやエコー検査をして見つかるなんて事もよくありますね。
どんな痛みが出てくる?
歩行時&走る時に痛み・・・歩行、走る時、足を着いた時、もしくは歩行&走り終わった後に外脛骨に痛みが出ます。
押すと痛い・・・外脛骨により膨隆している部分を押したり、ぶつけたりでも痛みが出ます。
10代の学生に多いので部活中に痛めるケースが多いですね。ただ、15~17歳ぐらいになってくると骨が安定してくるので痛みが自然となくなる人もいます。
特にⅡ型は結合組織により骨同士がくっついているので、安定してても急な外力が加わり痛みが再発なんて事もありえます。
しみず鍼灸整骨院 所沢院の施術法
保存療法
後脛骨筋へのアプローチ・・・後脛骨筋が引っ張る事で痛みを誘発することが多いので、柔軟性を高め引っ張られるのを軽減させます。
インソール療法・・・今はこの治療法が行われることが多いです。内側の縦アーチを作ることで、外脛骨にかかる負担を減らします。
アーチを形成、補助してあげる事で痛みを緩和することが出来ます。
※状態によって、インソールをつける位置が変わったりします。元々アーチの補助がある中敷だと高さ調節や位置の調節が出来ない為、平らな中敷を使います。
※ヒールの高い靴や裸足のスポーツにはインソール療法は使えません。裸足のスポーツでしたらインソールに入れるパットが付いたサポーターを使うことがあります。
手術療法
こちらは、簡単に言えば外脛骨を取ってしまう方法ですね。特にⅡ型は今まで手術適応でしたが、最近では保存療法で治療していく事が多くなりました。保存療法で痛みが取れない、骨の出っ張りが見た目的に気になる人が行う感じですね。
最後に
この疾患は今までの臨床経験上、無自覚もよく見かける事があります。有痛性、無自覚それぞれに対する施術法やアドバイス等をしっかり行います。しっかりエコーにて観察をしてどの程度の外脛骨かを判断し対処をすれば怖いものではありません。
こちらにカウンセリング例を紹介していますので是非ご覧ください!