変形性膝関節症(82歳・女性)
自宅にて椅子から立ち上がろうとした際に捻り負傷し来院。
「腫脹・熱感」が著しく、歩行時痛、膝関節屈曲制限を認めます。
レントゲン検査にて変形性膝関節症と言われたため、当院にてエコーにて観察したところ、いくつか症状を確認。
▼左右ともに膝関節内側に同様の骨棘あり(図1、図2)▼
▼正常なエコー図▼
▼膝蓋上包に滑液を認めた。(図4)▼
エコーでは以下の特色があります。
- 骨は超音波ビームを通さないため、白く映る
- 均質な媒質のものは反射しないため、黒く映る
また、図4の黒く映っている部分が滑液(水)と言われているものになります。
図1(骨の膨隆像)と図3(正常像)を比較してみましょう。
膨張では歪み、正常では骨のラインがまっすぐになっています。
このように、エコーでは骨の変形の程度がわかり、かつ滑液の量を把握することが可能。
こういった手法を用いることで、色々な関節の変形・滑液包炎を確認することができます。
詳しくは下の記事をご覧ください。
膝蓋靭帯炎(12歳・男性)
バスケットの練習中ジャンプをした際に負傷し来院。
「圧痛・屈曲時痛・階段昇降時痛・ストレステスト陽性・ジャンプ動作」にて疼痛増強を認めました。
エコーにて膝蓋靭帯の肥厚を、付着部に炎症像を確認しました。
以上より、膝蓋靭帯が弾力性を失い、付着部である骨にもストレスがかかっていることが分かります。
▼エコー画像▼
エコーによって、「筋・靭帯の肥厚」、ドプラにて炎症の程度を把握することができるため、その情報からスポーツ復帰時期などを決めています。
バスケットなどスポーツをする人の膝の痛みでは、このような現象が起きている場合があるので、お気軽に相談してください。
腓腹筋肉離れ(43歳・男性)
テニスプレー中後ろに下がった際に下腿に激痛を感じ来院。
腫脹、熱感が著しく、ストレステスト陽性、歩行時痛を訴えています。
エコーにて観察したところ腓腹筋筋腱移行部に断裂像を確認。
健側では腓腹筋から腱に移行する部分で三角形になっているのに対し、患側部分では筋繊維が乱れ断裂しているのが分かります。
このように、エコー観察し「早期発見後、アイシング・圧迫固定包帯を施す」ことで、出血を抑え、早期に運動に戻ることができます。
痛みを感じたら我慢せず、すぐに処置しましょう。
更に詳しく症例別に見たい方はこちらをご覧ください。