膝蓋骨骨折

2021年12月3日

膝蓋骨骨折(しつがいこつこっせつ)の種類・治るまでの期間・リハビリについて、全部大公開!

膝蓋骨骨折とは?

転倒し膝を強打してから、「歩くのが痛い・膝が曲がらない・膝のお皿を押すと痛い」なんて事はありませんか?
原因が分からず不安だと思いますが、可能性として、その痛みは「膝のお皿(膝蓋骨)が骨折している可能性」がありますよ。

膝蓋骨の説明

膝蓋骨とは大腿四頭筋(だいたいしとうきん)及び膝蓋腱膜(しつがいけんまく)に包まれた、人体最大の種子骨(しゅしこつ)になります。

難しい言葉を出していますが、要は「膝の皿部分の骨」のことですね。
ざっくり「靭帯の中にできた小骨」でもよいです。

この膝蓋骨は、膝を伸ばす際に、てこの原理を利用して大腿四頭筋の力を最大限引き出す役割があります。
また、膝蓋骨と大腿骨とで膝蓋大腿関節を構成しています。

膝蓋骨骨折の分類

膝蓋骨骨折は以下3つに分類されます。

  1. 横骨折
  2. 縦骨折
  3. 粉砕骨折

膝蓋骨横骨折の説明

「転倒・ぶつける」など直達外力で起こる事が多く、年齢や性別差はありません。
また、大腿四頭筋及び膝蓋靭帯による膝蓋骨を引き離す外力、介達外力によって起こる事があります。

膝蓋骨横骨折の症状

構造の部分で説明したように、膝蓋骨は大腿四頭筋が膝を伸ばすのを補助する役割があります。
横骨折し膝蓋腱膜断裂を合併してしまうと、真っ二つに割れた膝蓋骨のうち下の骨は膝蓋靭帯が保持、上の骨は大腿四頭筋の収縮外力により引っ張られるため、口を開けたような陥凹がみられます。

その場合は著しく膝を伸ばす動作に支障が出るので手術をすることが多いです。
また離開のない軽度な骨折であれば、ギブスによる固定で骨癒合(ゆごう)が見込めます。

骨癒合(こつゆごう)とは、骨の傷が治り傷口がふさがる為、離れた骨がくっつくことです。
ただ、固定中に離開する可能性があるので注意が必要です。

膝蓋骨縦骨折の説明

転倒やぶつけるなど直達外力で起こる事が多く年齢、性別差はないです。

膝蓋骨縦骨折の症状

縦骨折の場合は膝蓋腱膜断裂を合併することは無く、膝関節の伸展動作は可能なことが多く、「歩く事が出来る」「打撲と思い少し放置していた」なんて人もいます。
膝表面の擦過傷(さっかしょう)、腫れが強い、膝蓋骨を押すと痛い場合は骨折を疑った方が良いと思います。
擦過傷とは「皮膚表面のすり傷」と考えて頂いて結構ですよ。

膝蓋骨骨折の施術法

固定期間は状態によりますが、経験上「3~5週程度」施します。
これについては経過を観察しながら進めていきますので、おおよその目安と考えてください。

ギブスをすると必ず関節拘縮がおき、リハビリを頑張らないといけません。
ただ頑張りすぎて痛みを我慢しながら行うと他の組織が損傷し、かえって運動機能を低下させることもあるので、適切な指導の下リハビリする事が非常に重要です。

最後に

他の部位でも損傷程度、骨折の仕方でレントゲンで骨折を発見しにくい場所は必ずあります。
あれ?この痛みはなんかおかしい!
そう思った場合は、一度エコー観察をするとよいですよ。

今回、2例とも歩行は可能なので、安易に打撲と思い自己判断をするといつまでたっても痛みが変わらず、膝の曲げ伸ばしが正常に行えなくなるので、判断は自分で早期に行わず専門のところへ治療に行きましょうね。

こちらにカウンセリング例を紹介しておきますので是非ご覧ください!